星の王子様
否定という言葉が何だか痛かった。まるで、もう聖王子と関わっちゃいけない気がして。
「私は明日王女に言って王子を辞めさせてもらう」
「え」
「本気なの?」
真琴と同時に声を上げる。聖王子は首を縦に振り、
「ああ。こんな事でいちいち騒がれたらたまったもんじゃない。私は王子を辞める。華、悪かったな」
聖王子は一度華の頭に手を置いて去って行った。振り返ったらもういなかった。
「聖王子…」
私のせいだ。私のせいで聖王子が王子を辞めちゃう。
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