星の王子様
日向は後押しするように言う。だが、簡単に首を縦に振る事は出来ない。
鈴は静かにゆっくり話し始めた。
「私は、華をドールと戦わせたくないの」
「それでは華は死にますよ」
言葉を選ばず日向が言う。日向の一言一言が胸に突き刺さる。
「経験している王女なら分かるでしょう。戦わなかったら、あの刻印は華を殺すのです。刻印を消す為に華は戦わなければいけないんです」
「なら戦いで華が死なないという補償は」
「……」
始めて日向が言葉に詰まる。だが鈴は喋り続けた。
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