星の王子様

「なら安藤さん、華が帰って来たら伝えて――」
「聖王子」
安藤さんは聖が言い終わる前に割り込んで言った。
「もう華を泣かさないで下さい」
「え？」
私が華を泣かした？いつ？
身に覚えのない事を言われて聖が黙っていると、安藤さんは更に険しい顔を見せ、
「華、昨日泣いてたんです。華は何も言わなかったけど、華は聖王子に何か言われて泣いたんじゃないんですか」
「昨日？」
華には新聞部には私が言うと言って、王子を辞めるとも言った。だがそこに泣かなきゃいけない理由なんてあるのか？