神人
「なあ、今からどこ行く?」
「私海が見たいなあ」
「じゃあ行こうぜ。俺の愛車で」
男が彼女に格好つけようと、バイクに跨がった時、突然後ろから何者かに飛び蹴りされて男は吹っ飛んだ。
びっくりして見るとバイクに、全身を白で固め腰に剣を差した、多分女が跨がっていた。
男はそいつを睨みつけながら近付く。
「おい…てめえ。それ誰のバイクだと思ってんだよ。早く降りろ。警察まで案内してやるよ」
「うるせえ!こっちは急いでんだ!黙ってろ!ボケ!」
辛辣な言葉を言い捨て、そいつはバイクのエンジンを吹かせ猛スピードで走り去った。
「お、おい…」
残された男は、ただ呆然とその場に立ち尽くした。
と、視線を感じ見ると、そこには彼女がいた。
そして一言。
「ダッサ」
「え?」
人生が終わった気がした。
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