神人
ヘウ"ンは男達に手を後ろ手に縛られ、自由の取れない状態にされ、どこかの巨大な使われていない倉庫に連れて来られた。
ヘウ"ンをさらった男達は王の言っていた王女を誘拐しようとしていた犯人なんだろう。
人数は十人ほど。全員二十代位で、手には各々武器を持っている。
その中のリーダーらしき体格のいい男がヘウ"ンに近付いて来る。
「お前をさらった理由は分かってるだろ。王女様」
「私は王女様じゃ――」
自分の立場を忘れ、ヘウ"ンは危うく言いそうになった。
「一体何が目的ですか」
王女面をし、冷静に言う。
「金だ。今すぐ王に連絡して十億用意させろ」
「十億!?そんなお金あるわけないじゃない!」
「?王女様と呼ばれている者がそんな金も用意出来ないのか?」
「それは…」
思わず言ってしまったが、本物なら用意出来たんだろうか。
きっと本物の王女様は街の人の事を考え、お金を用意するんだろう。
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