神人
ビオラはフッと笑い、羽を自分の身体に巻き込んだ。
「なら死ね」
その瞬間猿達が一斉にビオラに飛び掛かる。ビオラは猿山の中に埋もれる。
「!」
オペラがこちらを心配して向いたが、次々と来る猿を蹴散らすのに必死だ。
「オペラ、それでいいのよ。私達の任務は王女を守る事なんだから」
猿山の中から声がした瞬間、山と化していた猿達が一気に弾かれ吹き飛んだ。
猿達は各々壁に頭をぶつけたり、他の猿に激突して動きを止めた。
「人の上に乗らないでよ。猿臭くなる」
ビオラは閉じていた羽を、身体を回転させると同時に勢いよく開き、猿達を飛ばした。
「残るは…」
オペラの方を見ると、オペラは集まって来た猿達に向けて、ブンブンと槍を振り回し思いっきり猿達に振り下ろした。
凄い衝撃と音が広間全体に響き渡る。
衝撃を受けた猿達はゴミのように散り、その命を終わらせた。
「片付いたか…」
ビオラとオペラは人型に戻り、王女に近付く。
「ありがとうございました。おかげで助かりました」
口を開いたのは王。二人共怪我も無く大丈夫そうだ。
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