神人
「とうとう王女まで見捨てるか。なら、お前の過去に新たな歴史を刻んでやるよ!」
男がナイフを振り上げる。
「バース!」
思わず目を閉じてバースの名を叫んだ。
その瞬間、男の持つナイフに、別のナイフが飛んで来て男のナイフを弾き飛ばした。
「あ?」
男とナイフの飛んで来た方を見ると、バースがナイフを飛ばした格好のまま立っている。あのナイフはバースの肩に刺さったナイフだ。
「てめぇ…」
男が睨むと、バースはやっとヘウ"ンの方を見た。
その瞳には闘志が見え、神剣を握る手には力が入っている。
「確かに私は生徒を殺したよ…。でも、同じ過ちを繰り返すほど、私は最低じゃねーんだよ」
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