神人
「絶対だよ。約束だよ」
泣き声で言うヘウ"ンにバースは、右手の小指を立てた。
「ああ、約束だ…」
その指にヘウ"ンは自分の小指を絡めた。
そして、バースの目が閉じ、手が落ちて小指が離れた。
「バース!」
必死に呼び掛けるが、バースは答えてくれない。
嫌だ。バースが死ぬなんて絶対に嫌だ。
「バース!バース!」
何度も呼ぶヘウ"ンの肩に、ジュリアさんが手を置いた。
「ヘウ"ンちゃん。早くバースを病院に連れて行こう。まだ助かるかもしれない。それにバースはこんな所で死ぬ奴じゃないよ。大丈夫。バースは強いから」
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