神人
ジュリアさんの声を追うと、頭を打ったのかバースが頭を押さえながらこちらに歩いて来た。
「あのでかぶつ…思いっきり吹き飛ばしやがって」
「大丈夫なの?」
「平気だ。にしてもばばあ、いつになったら出来んだよ」
「それまで何とかしてあの子を止めないと。セイカの街が無くなっちゃう」
止めると言ってもバースは神剣を持ってないし、オペラ達の攻撃も効かない。そんな調子で止める事が出来るのか。
すると魔獣はまた突っ込んで来る。また頭突きかと思ったが、蛇はシャアアと口を開き何か液体を吐いた。
ジュリアさんはヘウ"ンの身体を抱き上げ、バースとは反対方向に跳んでかわした。
蛇の吐いた液体はべちゃっとアスファルトに落ち、みるみるうちにアスファルトを溶かしていく。
「毒か…」
ヘウ"ンを下ろしながらジュリアさんが呟く。アスファルトを溶かすなんて、あれに触れたら終わりだ。
と、近くにいたビオラさんが何かに気付いたようにぴく、と顔を上げ翼を羽ばたかせどこかに飛んで行った。
「ビオラさんどこ行くんだろ」
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