神人
ただ面倒臭いという理由で。
(やっぱ私の上司だよな)
三十代という彼女だが、本当の年齢はバースでさえ知らない。
まだまだ謎の多い上司だ。
と、そこでバースはあくびをしてしまった。
「あ、悪い」
少しも思っていない言葉を漏らす。ナスカは、
「今私が言った任務の内容を言ってみなさい」
こめかみをピクピクさせているナスカに、バースは慎重に言葉を選ぶ。
「えっと、魔獣の討伐？扉の調査だっけ？」
「あんたいい加減にしなさいよ。今度聞いてなかったらそのコートと神剣奪い取るわよ」
バースが着ている神人の制服と、一人前と認められた者しか持つ事が出来ない神剣を指差した。
「すまん。ちゃんと聞くから」
素直に謝りバースは聞く体制に入った。ナスカはため息を吐き、三度目の説明に入る。
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表紙・目次

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