神人
「何だか怖くて…」
「……」
そりゃそうだろう。命を狙われてるかもしれないのに。怖いはずだ。
ヘウ"ンは王女と一緒にパーティーに行けないので、王女の死の映像を見る事が出来ないが、きっと見る事はないだろう。
オペラやビオラさんが守ってくれる。
ヘウ"ンは王女様の肩に手を置く。
「大丈夫ですよ。王女様の事は私達がちゃんと守りますから」
それでも王女様の表情は晴れない。そんなに怖いのか。
「王女様…」
「怖いんです。私やお金はどうなっても構わないんです。でも犯人がそれだけでは満足出来なかったら、今度は街の人達が襲われるんじゃないかと思って…。それだけが怖くて…」
「……」
どうしてここまで考える事が出来るのかヘウ"ンには分からなかった。
自分と年齢は変わらないはずなのに…。
きっと彼女の肩には色んなものが乗ってるんだ。だから自分の事よりも、他の人の事を考えてしまうんだ。
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