TEAR-DROP*一滴*





「すみません、どうしても出なきゃ
いけなかったので。」

「懲役が決まったら
延長だ。」

と言って反省室と呼ばれる場所に
連れて行こうとする二人の看守の
手を、制した。

そして自分でも
思ってもいなかったくらいの
低い声で

「今、逃がしてくれたら
恩返しはします  が、
逃がしてくれなかったのなら
全力で殺そうとします。」

と言ったのだ。

んーそこまで出たいのには
理由はあるよ?あるんだけど
これを言葉にしたのは自分じゃ
ないような気がする…

看守は顔を合せて笑った。
「高校生のが気に何ができる」
「倒せるもんならやってみろ」

…うざ!
それならやってもいいのかな。

でも待て…相手が先に手を出してくるのを
待たなくちゃね…

待て、待て…

「うぉっ」
という看守の掛け声とともに
右フックが飛んできた。

動体視力が急上昇したように
その動きの一つ一つが
見えた。
当然交わすことは容易で
交わしてみぞおちにイン。
続けてとなりのやつの後頭部あたりに
肘がイン。

二人とも倒れこむ。
痛みにもだえる。
可哀相に…と思ったがまずは無視。

鍵という鍵をすべて奪い
それから無線を使って
医療班を呼んでおいた。
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