TEAR-DROP*一滴*


次なる命令が下った。

「服を脱げ」
というものだった。

…いきなり言われると…
その…あの…
…………恥ずかしい。

…自分にはそっちの気は
ないからねと言い聞かせながらも
抵抗する

精一杯のにらみを利かせ
「変態。」
と舌をだして言う。

が、

聞こえていないかのように
パーカーに手をかけ
見る見るうちにタンクトップ
にされた。

多少抵抗はしたものの、
ここで打たれたら元も子もない。

パトカーのフロントに
押しつけられ、身体検査をされた。

…よーく考えてみると、
自分をうち殺したら、すべての証言が
できなくなる…死人に口なしだ。

なら、逃げられる。

そして、手錠をかけられた。
タンクトップのまま…。

「すみません…あのぉ~
寒いんですけど、パーカー着ても
いいですか??」

と、申し訳なさそうに言う。

「逃げるだろ?」
とため息交じりに言う。

「僕だって、死にたくないですよ?
逃げたらうたれちゃいますもん」

と苦笑いをするが裏腹に
てめーらうてねーだろ。


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