天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
「うわぁー。遅くなってゴメンねっ!」



階段から、賑やかな足音が鳴りだした。



「お姫様の支度が出来たみたいね。」


クスッとおばさんが笑い、それにつられて俺も笑ってしまった。




里緒の家から歩道橋までの道のり。

俺たちは手をつなぎ、里緒の歩幅に合わせ歩く。


遅くなってはいけないという気持ちと、もう少し里緒と一緒にいたいという気持ちが交錯する。




「あーあ。もう着いちゃった…。」


里緒の残念そうな声。

気がつけば、歩道橋の下。
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