天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
大切な里緒。
誰にも渡したくない。
里緒に対する想いは、日に日に強くなっていく。


それに比例して…。



俺の心をざわつかせるアイツ。
向こうは、俺のことなんか気にも留めてないんだろうけど…。



永瀬悠斗。

俺と同い年で、里緒の高校の先輩。


あのとき出会わなければ、きっと俺達は話すことなんかなく卒業したんだと思う。
あれは…大学2年になって、ゴールデンウィークが終わり、しばらく経った頃だった。



**********


なんか頭がスッキリしねぇなぁ。
ぼーっとするっていうか。
まさか、5月病?
…んなワケないか。


そんなことを考えながら歩いていた俺。
前から人が来てるのも気づかないくらい、ぼーっとしてたんだな。

人の気配を感じたときにはもう遅く…。



ドン!!!
バサバサバサッ。


前から来た人と思いっきりぶつかり、その人の荷物が床に散らばってしまった。


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