天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
「もしかして、夏目?」


怒られるんじゃないかとビクビクしてたところに、突然自分の名前を呼ばれた。

あきらかに俺の鼓動が速くなる。



目の前の男。
懐かしい感じはしたんだけど…。

もの凄いスピードで頭ん中を回転させる。

……………。



ダメだ、思い出せない。
やっぱり、初対面だと思うんだけど…。




「本物だ。」


そんな俺をよそに、目の前にはニコニコした人懐っこい笑顔。

この顔を見てる限り、怒ってるわけではなさそうだけど…。


真顔と、笑ったときに見せるこの子どもっぽい笑顔。
このギャップにドキッとしてしまうなんて…。

女の子じゃあるまいし。


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