天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
「なんで、俺の名前…?」

「確かに近くで見ると王子様かもな。」



俺の質問には答える気配なし。
さらにまじまじと俺を見る。


「お、王子…様?」

「あぁ、わりぃ。俺の独り言。」


独り言って…。
丸聞こえなんだけど。

コイツ一体何者なんだ?



「五十嵐から、よく聞かされてるから。」

「五十嵐?」

「同じサークルだろ?五十嵐遥香。」

「あぁ…。」


次々と話しかけてくる男。
結構ついてけない俺は、単語で返事するだけで精一杯。



「俺、五十嵐と同じ学部なんだ。あっ!そう言えば俺、名前言ってなかったな。永瀬ってんだ。永瀬悠斗。」


そう言うと、目の前には例の人懐っこい少年のような笑顔が。
この顔を見ると、なんかほっとするような…。


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