天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
「これ、高校んとき?」

「そう。部活の仲間と、県大会で優勝したときに撮ったんだ。」


高校のときの写真を持ち歩いている。
卒業して2年経った今も…。

優勝したっていう大切な思い出だからか?

それとも…。



無意識に俺の口が動いた。



「高校んときの写真持ってるなんて、もしかして…彼女も写ってる…とか?」


俺、なに遠まわしにこんなこと聞いてんだよ。
五十嵐のこと聞かれたときに、さくっと聞けばいいじゃねーかよ。

『そういう永瀬は、彼女いるのか?』って。



「バレた?夏目って意外と鋭いな。」

「か、彼女って…、里緒ちゃん?」



気のせいだろうか。

俺の質問に、ほんの一瞬だけど永瀬の顔が強張ったような気がしたのは。




「ははっ。」

一呼吸置くと永瀬は笑い出し、あの人懐っこい笑顔を見せてきた。


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