天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
上手く切り出せない俺。


切り出してくれたのは、やっぱり永瀬だった。

「俺に話あんだろ?」


なんでコイツは、俺の思ってることが分かるんだろう。
それにこの余裕。
男らしいって思ってしまう。

永瀬は、俺が持ってないものをいっぱい持ってる。
正直、永瀬がすごく羨ましい。



俺は、お守りと化していた例の写真を、そっと永瀬の前に出した。

「やっぱりな…。」と言い出しそうな、永瀬の顔。

その顔を見て、ある意味俺はホッとした。



「あの話も聞いたんだろ?」

永瀬が言う“あの話”。
それはきっと…。


「彼女と別れたって話、噂で聞いた。」

「本当だよ。」

「…そっか。」


俺と永瀬の間に流れる沈黙。
息苦しい反面、どこか落ち着く気もする。

まるで敦史と一緒にいるみたいな、そんな錯覚におちいる。


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