天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
はぁぁぁぁぁ。


好きって永瀬のことじゃなくて、俺のことかぁ。
マジ焦ったぁ。
ほんっと良かった…。


見る見るうちに力が抜けてった。

椅子に座ってて良かった。
これが立っていたら、俺確実に倒れていると思う。


それくらい安心したんだ。



「百面相。青くなったり赤くなったり、忙しいな。」

「そっ、それはお前が意地悪するからだろ?んな遠まわしに言わなくても…。」

「それくらいしてもいいだろ?なんせこっちは3年片思いしてたんだから。」


ニヤニヤしながら俺を見る。

怒りも失せてくるってこのことか?
この人懐っこい笑顔を見せられちゃ、許すしかねーじゃん。
全く…。




「………時間は、確実に流れてる。もう、あのときの俺と里緒には戻れないんだよな。里緒に言われて、ふっきれたよ。やっと前に進めるんだって。そういえば、なんか里緒さ、夏くらいから変わった気がする。」



夏くらい。

それって、あの出来事と関係あるのかな…?


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