天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
夏休みの前日、里緒は自宅近くの歩道橋の階段から落ちて、3日間意識がなかった。


明仁からその話を聞いたとき、目の前が真っ暗になった。

どうすることも出来ない俺。
ただ目覚めてくれるのを信じて祈るばかり。


神様は、また俺の大切な人を奪っていくのか?


そのとき、はっきりと確信したんだ。



俺は里緒が好きで、初めて会ったときの胸の鼓動は『恋』だったんだって。




永瀬の観察力には驚いた。

永瀬の言うとおり、その一件以来里緒は変わった。
いい意味で、強く逞しい女の子になった。

芯がしっかりとしたっていうか。


優しい里緒。

優しいんだけど、前の里緒は人に流されやすい部分があった。
その優しさから、損してるなぁって思うこともあった。



成長した里緒。

眠っていた3日間、里緒はどんな夢を見ていたんだろう…。



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