天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
「里緒。」

「なに?」


俺を見上げる里緒。

俺の心臓がトクンと飛び跳ねる。


この仕草がたまらなくカワイイんだ。

俺を見上げ、あのぽてっとした赤い唇が目に入る。
このまま、キスしたい衝動に駆られる。



頼むから、俺以外の男にはそんな顔見せないでくれ。
いっそラプンツェルみたいに、高い塔に閉じ込めて、俺以外誰にも見られないようにしたい。


こんな風に思ってしまう俺って変?
俺、こんなに独占欲強かったっけ?




俺は歩く速度を落とし、道路の脇に足を止める。

BGMはクリスマスソングと街のざわめき。


里緒を見つめ、こう言った。


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