天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
鼻にかかった甘ったるい声が、狭い部屋に響く。


俺の目の前にいる女の子。



五十嵐遥香。

俺と同い年の20歳。
学部は違うけど、同じサークルで喋るようになった。


柔らかい素材のミニのワンピースにブーツ。

セミロングの明るい茶色い髪は、キレイに巻かれている。

目元は、化粧品のCMのモデルみたいに、まつげがくるんとカールされている。


五十嵐を見ると、モテるんだろうなぁって思う。


きっと、男が恋しそうな女の子。
10人いれば、7~8人はタイプって言うと思う。


明るいし。
話しやすいし。
キレイだって思う。


そんな五十嵐に『好き』って言われたら、大抵の男は“イエス”の返事を出すんだろうな…。




「夏目くんさぁ、学食でゴハン食べるの、少なくなったよね?」


話しながら、五十嵐が俺のそばに寄ってきた。

里緒とは違う、甘い香りが漂ってくる。


心臓が鐘を打つかのように、ピクンとなる。


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