天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
「夏休みが終わったらしてきたよね、それ。もしかして…、誕生日プレゼント?」

「えっと…、これは…。」

「なんですぐに答えられないの?」



五十嵐の目を見れなかった。


すべてを見透かされてるみたいで、怖かった。




「里緒ちゃんからなんでしょ?」

「なんで知ってんの?」


“里緒”という言葉に、ピクッと反応してしまう俺。

五十嵐を見ると、俺は拍子抜けしてしまった。



だって。

クスクスと、小さく肩を震わせながら笑っていたから。




「反応良過ぎ。……夏休みが終わってから、2人の態度が違うもん。口に出さなくても、見てたらすぐ分かる。」


“見てたらすぐ分かる。”


他の人の前では、今までとなんら変わらないように過ごしてきた俺。



五十嵐は、そんな俺の小さな変化にも気づくくらい、俺を見ていたのか…?


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