天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
「ねぇ、夏目くん。」



五十嵐が、俺をじっと見つめる。

里緒とは違う眼差し。



「どうして、里緒ちゃんなの?」


どうしてって…。

そんなこと言われても、答えようがない。
卑怯かもしれないけど、説明なんが出来ない。

里緒を『好き』って気持ち。
理屈じゃないんだよ。


誰だって「この人じゃなきゃダメだ。」って思うことあるだろ。




「そんな怖い顔しないでよ。別に問い詰めてるつもりで言ってる訳じゃないから。本当はね、気づいてたんだ。夏目くんの、里緒ちゃんに対する気持ち。いつも目で追ってて、大切な宝物見てるみたいに見つめてて。」

「五十嵐…。」

「………。あたしが夏目くんのこと好きって、ほんの少しでも気づいてた?」



五十嵐の口から出た『好き』の言葉。



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