天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
俺の腕の中にいた五十嵐を離し、俺は里緒を追いかけた。


里緒。

誤解なんだ。

でも…、言い訳はしない。

ただ、俺の気持ちだけは、ちゃんと知ってて欲しいんだ。



俺は懸命に里緒の後を追った。

こんなに全力で走ったのなんて、かなり久しぶりのような気がする。


だんだんと、俺と里緒との距離が縮まっていく。
手を伸ばせば、里緒に触れられる距離へと…。




追いつき、俺は里緒の腕をつかんだ。


お互い息があがっている。

苦しいのもあって、頭の中が整理できない。


まずは、なにから言えばいいんだろう…。



俺のすぐ目の前にいる里緒。
さっきから下を向き、手で顔を押さえている。


やっぱり、俺の顔見たくないのか?

それとも…。


泣いている?


< 69 / 129 >

この作品をシェア

pagetop