天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
「おーい、里緒さん。俺、怒ってるんですけど…?」

「ゴメン。夏のコト思い出したの。」

「夏?」

「遼くんの誕生日のコト。遼くんだって、教えてくれなかったでしょ?」

「あ…。」




確かに。

里緒のお姉さんの紗英さん。
ちなみに紗英さんは明仁の恋人。


その紗英さんに誘われて、4人で行った温泉旅行。
メンバーは里緒と紗英さんと明仁。
そして俺の4人。


ちょうどその日は、俺の20歳の誕生日で。



初めて里緒と一緒に一晩を過ごした。
その時、俺と里緒は初めてキスをして。


キスの後は、なにもない。
ただ手を握って、一緒に眠ったくらいだ。



“キス”のその先を、全く期待していなかったワケじゃない。

俺だって、健全な男だ。

好きな子と一晩、それも2人っきりで過ごすとなれば、“そーいうこと”も考える。



だけど。

里緒を見ていたら、こう思うんだ。


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