天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
“俺達のペースでいいんじゃないか”って。


つきあって、手を繋ぎ、抱きしめあって、キスをして。

愛を確かめる行為として、セックスがあるけれど、まわりに流されなくていい。


ゆっくりでいいんだ。

俺達には、ちゃんと時間がある。


だって、俺の隣にいるのは里緒だけだし、里緒の隣にいるのはきっと俺だけだから…。




「俺の…っていうか、男の誕生日なんて祝わなくてもいいんだよ。女の子は別。特別な日だろ?そういうことだと、里緒も…。」

「19歳。うーん、19かぁ。響き的には17とかのほうがいいんだけどなぁ。」

「里緒。誕生日、一緒に祝おう?」

「いいの!?」

「当たり前だろ?」

「うん!嬉しい。」


コンコン。
テーブルの上をノックする音。


「お2人さん。これってケンカ?それともイチャイチャ?」


音を出した主は、原田ちゃん。
咳払いなんかしながら言ってきた。


ぶっちゃけ、4人でいることを忘れてた。
俺ん中で、まさに“2人の世界”状態だったらしく。

こんな風になるなんて…。


俺、浮かれてんのかな?

でもきっと、これが俺の本当の姿?
里緒といると、どんどん素直になっている。



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