天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
背も高く、ほどよく筋肉質で。

こげ茶色の髪に、ゆるめにかかったパーマヘア。

優しく、穏やかそうな顔立ち。




こりゃ、女にモテるって直感した。



地元の情報雑誌に載ったこともあるらしく、彼目当てで来る女の子のお客さんも多い。

だからその分、里緒の口から“拓馬くん”って言葉が出ると、正直面白くなくって、イライラもするし、不安にもなる。



そうなんだ。

俗に言う“嫉妬”ってやつだ。




あるとき、そんな感じの事をポロっと言ったら、笑ってこう言われたっけ。


「大丈夫だよ~。だって拓馬くん、すっごくメンクイだもん。結子さんっていう彼女がいるんだけど、もう彼女にメロメロっていうか。あの2人見てると、憧れちゃうんだよね。」



彼女がいるって聞いて、あからさまにホッとしてしまった俺。

単純だなぁ。



そして極めつけが、このセリフ。



「でも嬉しい。遼くんが嫉妬してくれたなんて。」



里緒さん。
ソレ、反則ですから。


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