天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
「明日授業があるんで、今日は帰ります。」

「えー、残念。今度は絶対に泊っていってね?」





親父さんが単身赴任中の小松家。


普段女性しかいないため、こんな俺でも頼りにしてくれるのが嬉しい。

用心棒とまではいかないけど、時々里緒の家に泊るんだ。


俺の箸や茶碗まで用意してくれてる。

明仁もちょくちょく小松家に出入りしているけど、まだ一緒に泊ったことはないな。






今日の夕飯はビーフシチュー。

いつ食べても、おばさんのビーフシチューは絶品だ。



「夏目くん、どお?美味しい!?」

「とっても美味しいです。」

「本当!?たくさん作ったから、遠慮しないで食べてね。おかわりどう?」

「あ、すみません。お言葉に甘えて、いただきます。」




“ぶぅー”

と、声が聞こえてきそうな里緒の顔。


小さな赤い唇がとんがり、頬が膨れている。



そんな顔をしながら、俺とおばさんを交互に見ている。








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