灰色リリィ



あの時に知ったあたたかさを、胸の奥に感じながら、ゆっくりと歩く。

すると、ふと何処からかガチャガチャと騒がしい音が聞こえて、私は音のほうに視線を向けた。


音のもとは、数メートル先の、CD屋さん。



見えない何かに誘われるようにそこに足が向いて、店内に入る。



店に入って直ぐのところにある、大きなパネルが置かれて大量のCDが並べられたスペースの前で、私は立ち止まった。



いや、動きが止まった。






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