大嫌いだったお兄ちゃん
あたしは思わず手に持っていた本を落としてしまった




「!?…礼…!」




ドアを開けたお兄ちゃんは驚いた顔をしてあたしを見た




「…嘘…嘘…だよね…ねぇ?…お兄ちゃん…」




「…」




「ねぇ…嘘だって言ってよ…ねぇ…お兄ちゃん…!」




あたしはお兄ちゃん服をつかんでお兄ちゃんを揺らした




「…」




「…嘘…」




あたしは顔を横に振りながら後ずさりしそのまま走りだして家を飛び出した





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