秘密戦隊ウーメンズ(短編)
(4)
博士は、基地内にある治療施設で治療を受けている。一命は取り留めた。
ピンクが襲われたのは昨日。
今日は博士。
ウーメンズのメンバーを狙った連続殺人が基地内で起こり、そして今でも犯人が潜んでいる可能性がある。いや、恐らく今も我々の隙を窺っているに違いない。
残りのメンバー全員が事件後初めて一堂に会した。
「みんなに言っておきたいことがある」
レッドがリーダーらしく主導権を握って話し始めた。
「ピンクが昨日襲われた。そして今日は博士。しかも、その方法は、どちらも顔を餃子の皮で包み込まれて、息が出来なくして窒息死させるというもの」
イエローはウンウンと鼻息荒く賢明に聞いているが、グリーンは頬杖を付きながら女性誌をパラパラ横見しながら聞いている。彼女なりに冷静を装っているのだろう。
「で、これはブルーの意見だけど、・・・悪の組織の仕業じゃないかってこと」
それを聞いてさすがのグリーンも女性誌をめくる手を止め、視線をレッドに向けた。
イエローに至っては、驚きのあまり周りをキョロキョロ見出した。
「フーン、悪の組織ねぇ。で、その悪の組織の餃子怪人?みたいなのが私達を狙ってるわけね」
「グリーン、今は茶化すのは止めて。今大事なのは、その餃子怪人が今も基地内に潜んでいて、私達を狙ってるかもしれないってこと」
「で、でも私達何にも悪いことしてないわ!?」
自分が襲われるなんてたまらんっ!と言った様子でイエローが叫び声を上げた。