リミテッド
トイレに駆け込んで、しゃがみこむ。


スタッフ用のトイレは、窓が開けっ放しで、雨音が響く。


それに負けないくらいの涙が、あたしの目から流れ落ちる。




さっき、「わかった」って言った瞬間、
伸治が本当にほっとした顔をしてた。


やっぱり伸治の一番は美穂ちゃんで…



来週の今頃、伸治の隣にいるのは、



間違いなく、



あたしではなくて、



美穂ちゃんなんだ。




肌で感じた。


そっかー、あたし、やっぱり振られるのかー。


なんだか虚しくて、笑えてきた。






この雨と一緒に、あたしも流れてってしまえばいいのに。




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