リミテッド
『今あいつ一人だからさ、行って看病してやらないと…。
だから、海、また今度な』


ちょっ…なんで……!?


「なん…」


『えっ?何?』


「何で伸治が行かなきゃいけないのっ?」


いつもなら言わない言葉が、口からこぼれ出てしまった。


『香奈子?』


いつもと違うあたしに、戸惑っているのが伝わってくる。


でも、一度言い出すと、止まらない。


「って言うかっ。
美穂ちゃんだって子どもじゃないんだし、自分でどうにかすればいいじゃない!」


だって、今から一緒に海に行って…


『知ってるだろ、美穂の体が弱いこと』


遊んで…


『それに、美穂は専門に入学したばっかりで、休みがちで仲良い友だちあんまりいないんだよ』


寝っころがって星見て…


『ドタキャンするのは、ほんとに悪いと思ってる。
海はまたいつでも行こう?
今度埋め合わせするから、機嫌直して?』


―――いつでも行ける?





今日で…最後…なんだよ…




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