リミテッド
「大体、美穂ちゃんが熱出したのってほんとなの?」


『え…』


声が震える。

公衆の面前だっていうのに、涙が溢れてくる。


街中で、電話で別れ話してるのを見て、かっこ悪いなって思ってたけど、今は自分が必死になって電話してる。


「昨日何ともなかったのに、いきなりっておかしいじゃない!」


明日になればあなたのものになるっていうのに、なんで邪魔をするの?


「仮病じゃないの!?」


『香奈子っ!!』


初めて伸治に怒鳴られた。


『自分が何言ってるか分かってんのか?』


「分かってるよ…」




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