リミテッド
そんな、いかにも女の子らしい、ふわふわした美穂ちゃんに、
付き合い始めの頃はヤキモチやきまくりだった。


最近慣れて少し許せるようになったのは、
伸治の話を聞いてくうちに、美穂ちゃんに対して恋愛感情はないんだって気付いたから。
妹に激甘なお兄ちゃんって感じ。


まじ、シスコン。


でも…


「でさ、美穂がさ―――」


「ね、土曜日バイトある?」


今日は美穂ちゃんの話、
聞きたくない。


「14時までだったかな…」


不自然な遮り方は、
ヤキモチのしるし。


「じゃあ、その後お出かけしない?」


「いいよ。どこか行きたい所あるの?」


「ん~、考えとく!」


「オッケ」


やった!


どうしても、土曜日は一緒にいたかった。


たぶん
最後の日だから…。


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