リミテッド
思わず顔を背ける。


ここでキスなんかしたら、伸治にすがってしまいそうで、怖い。


伸治から離れられなくなる…。




「っでだよっ!!」


ダンッ


耳の後ろで壁が鳴る。


びくっ


こんな、こんな激しい伸治、見たことない…。


手首を掴まれて、体が玄関の壁に押し付けられる。


「俺のことが嫌いになったのか?
だから別れたいなんて言ったのか?」


顎を掴まれて、無理やり上を向かされる。


違うよ。


好き。


大好きだよ。








「―――そう…だよ」





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