リミテッド
急に手が自由になって、パタッと力なく落ちた。




……………。




「そ…っか」


伸治は目をつぶったまま呟くと、ため息をついた。




それから、ゆっくりあたしを見る。


「理由…は?」


理由?そんなもの…


だって、嫌いになってないもの。


「いろいろ…」


「今日、約束破って美穂のとこに行くって言ったからか?」


ははっ。


乾いた笑いが出る。


なんだ、分かってんじゃん。


「違うな、考えたら俺、いつも美穂のことばっかりだったな。
…だから?」


「そっ、かも、ね」



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