リミテッド
「何で言わないんだよ。
しかも、俺が美穂と付き合うとか、ありえないだろ」


「だって…。
いっつも“美穂がー”、“美穂がー”って言ってんじゃん。
このシスコンっ」


絶句した伸治の姿、ちょっと可愛い。




それから伸治は、もう夜も遅いって言うのに、美穂ちゃんとその彼氏を呼び出した。


まだ少し赤い顔で、彼氏に手を引かれてる美穂ちゃんを見たら、かわいそうになってしまった。


伸治、鬼だ。


それから、美穂ちゃんと彼氏は、あたしに向かって、それはもう必死に謝ってくれた。


美穂ちゃんなんか、泣き出しちゃって、
逆にあたしが慰めちゃったよ。


そしたら美穂ちゃんになつかれてしまって、彼氏にやきもちやかれたくらい。


なんか、あたしにも手のかかる妹ができちゃったみたい。



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