リミテッド
「伸治、野沢くん」


いきなり電話を渡されて驚いてたけど、「あっ!」と言って慌てて受け取った。


「おまっ!!……何だよ」


一瞬大きな声が出たけど、
ちらっとあたしを確認して、
低い声で言い直した。


ぷっ。


きっと圭くんも一緒に笑ってたと思う。


かっこつけ。


「あ、うん。うん、今度メシ奢れよ。
ってか、邪魔すんなっ」


最後に言い捨てると、ぶちっと電話を切った。


「…何笑ってんだよ」


ちらっとこっちを見て、ちょっと拗ねた風に言うのが、また可愛い。


「何でもなーい!!」


隣で「あいつら何か言ったな…」ってブツブツ言ってて、
圭くんに心の中でごめんねって謝った。

きっと、明日学校で伸治に責められるはずだから。



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