リミテッド
ぎゅっと抱きついたまま、しばらく伸治の胸に顔を埋めていた。


「…香奈子…」


優しく呼ばれて顔をあげると、


!!!


口の端を上げてあたしを見る伸治。


「…な…に?」


何か、嫌な予感…。


「あれ、言って?」


「あれ?」


「そ。この間泊まりに行ったときに言ってたやつ」


「?」


一生懸命思い出そうとするけど、何のことだかさっぱり。


ニヤニヤする伸治に、不安を覚えるけど…。


「頭撫でながら、“愛してる”って」





―――――!!!




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