騎士戦争


「だってほら、」


二部隊隊長は前を行く団長の手元をさした。


「げ。」


「なるほどな…」


2人はそれで納得する。


総団長は先ほどからずっと、人差し指の爪で親指の爪を引っかいていた。

彼が戦の直前になると、よくそうしていることは皆知っていた。





神の間へ入ると、各自決められた席へ座った。


テーブルを囲うように総団長、そして各部隊隊長。


幹部は隊長たちの後ろに小さく控えており、彼らのフォローをしなくてはならない。


「…まず、各部隊に確認したいことがある」


フェンリル総団長は部隊長たちを見回した。


「戦の傷などで、回復できていない者はいるか? 無論、動けるなら問題はない」


「まだ一名、足のケガが完治していなく、動けないような状態です」
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