騎士戦争
「お言葉ながら総団長、私も反対です。 どうしてもオーディンと、と言われるのならば、他の小国を潰し、力をつけてからの方が良策かと。
ヒゼン辺りはどうでしょうか」
「ヒゼン、な。第二部隊も反対か。 私はこの意志を曲げる気はないぞ。それに、負けるなどありえないんだ」
不敵に笑う彼に、どこの隊も訝しんだ。
代表するようにロッシュが問う。
「フェン──あ、また間違えた。 総団長、それは何か策があると受けていいのか」
「そうだな。この件については第一部隊のみ伝えようと思う。
だがこれだけは言わせてくれ。…今回も必ず負けはしない。絶対に、だ」
自信ありげなこの言葉を、最初に信じたのは第三部隊だった。
連絡はこれだけかと確認すると、部下にも伝えるから帰る、と部屋から出ていく。
残された者はそれを見て、だいたいの決心がついたようだった。
それを察した総団長はこの召集の終わりを告げる。