騎士戦争


「……おいフェン、俺に最後まで言わせてくれないのか。

こんな戦の直前だ、ただでさえ神経ピリピリしてんのに、刺激するようなことしないでくれ」


相手の真横へとさらに馬を進めれば、背中にある剣と鎧とが奏でる不協和音。


「『長期戦にもっていかれたらどうするんだ』、そう言いたいのだろう?」


「ああ。オーディンは前の戦って言ってもだいぶ前のオハナシだ。 それに対して俺たちオリジンはつい8日前ほど。

向こうと比べちまうと、ちょーっとな」


「食料等の問題か?それならあまり問題ないだろう。

ミカキとの戦は小規模だった。あまり減ってはいないし、第一、今日で終わる。策は話しただろう、大丈夫だ、問題ない」


それを聞いてもなお、ロッシュは腑に落ちない様子だった。


仕方なしに総団長は、前より大きめの声を出す。


なるべく軍内の多くの者に聞いてもらうためだ。
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