騎士戦争
「なぁ、俺のアレどこにあるか知らねえ?」
第一部隊、専用の建物。
早朝、そこの一室を唐突に入ってきた部隊長に部下は慌てた。
「アレ、ですか?」
「アレだよアレ、ここにつけるやつ」
そう言って彼は自分のひざを叩くと部屋の中をぐるぐると歩き回る。
時折立ち止まっては机の下をのぞきこんでいた。
そんなロッシュに部下は 、隊長は何をお探しなのだろうとうろたえるばかりだ。
さらにしゃべり続ける上司に困り顔でいると、部屋の奥から音がした。
そこから来た人物を確認してすぐ、困り顔はさっと視線を手元の書類に移す。
部屋の奥から来た男は重い口で言った。
「…どうした」
「あ、よう、フェン。朝の散歩にでも行くのか。 俺のここにつけるやつ知らねえ?」
ロッシュは自分のひざを叩くと、まだ部屋中をぐるぐると歩き回る。