騎士戦争
しかして、部下に背中を向けて歩く自分がそんな弱気な態度では示しがつかない
現に、似たような立場のビギナーは鼻歌でも歌いそうに機嫌が良かった
「この異常者」
馬に乗りながら、隣の奴に言っておく
白馬の王子様気取りの奴は心外そうにこちらを向いた
「異常者?どこがだい」
「戦争すんのに、ヘラヘラしてるあたり。つうか、格好からしてお前はおかしいぞ」
「おかしいかな、これ。巷では結構流行りなんだが。赤色が嫌いなのかい」
「色じゃねえ。鎧ぐらいつけろよ」
明らかにビギナーの格好は、今から巷に買い物でも行くといった感じ
唯一の戦争スタイルは、手にしている凶器だが
「鎧は重いんだ。君とて承知だからこそ、甲冑ではなく軽装なんだろうに。
私の得物は、スピードが命なんだ。相手の首をスムーズに断つにはね」