騎士戦争
誰もが頷くだろう
死の神の称号は彼に相応しく、またその隣を歩くクロスも然り
こちらは獣
恐怖がなく、果敢に突き進む様は獣でしかなかった
金髪の獅子
土と血の汚れをまといながら吠える獣だ
その獣の後ろについていく兵士も、獣となる
今はまだ。そんな言葉が出るほどに覇気はないが、いざ相手を前にすれば手足の震えがぴたりと止む
クロスが誇れる部下でもあった
「まあ、俺たちがいれば負ける可能性はないが……。確か、相手国。つい最近にミカキと戦争したそうじゃないか」
それでよく、こちら(オーディン)と戦争をする気になったという話になる
クロスたちがこうして進軍しているのも、相手国の進軍から始まったものだ
「ああ、相手は取るに足らない敵だ。故に、事細かな策は要らないだろう。一日の内に決着をつけよう」
「……思ったんだけどな。ミカキと戦争してんだ。きっと相手国は物資とかも底をついている、医療道具なんかもな。だったら、長期戦に持ち込んだ方が有利に進められないか?」