騎士戦争
頷いて今度は不服ない顔に、ビギナーも良かったと言う
「では、回り込むのは我らが第一部隊が引き受けよう。殆どの強者を私につけるが、構わないよね?
君だけで前は事足りそうだし」
「んな技量はねえよ。第一部隊――千人ぐらいくれてやる。残りの十部隊は前方から一気にたたみかけるから」
「千人ぐらい、だなんて何だかおかしいね。ぐらい、で片付けられる人数じゃないが――クッ、ああそうか」
何を思ったか、にたりと彼は笑い後ろについてくる兵士たちを見た
「こんなにいるんだ。一万の内、千人死のうが木にある葉が落ちるがごとく、所詮は“どうでもいい”よね」
「そんな意味なんかない。ささっと行け、異常者。全員を生きて帰せよ。千人ぐらい、無事に帰還させることはお前ならできんだろう」
「なるほど、そういうことか」
興味深くビギナーは頷くが、口元は相変わらずのままだった
黒い笑い
腹の奥底に魔でも持つかのような表情は最後まで
「出来うる限りのことはしよう。オリジンには絶対に殺させない。だから、君も最後まで生き残っていてくれよ」
クロスにとっては気に食わないやりとりであった