騎士戦争
「あ、う……。失礼した。気にするな」
ごほんとわざと咳払いをして、取り繕う金髪青年(クロス)に皆は視線を外した
ざわざわがまた再開する
人が多く、馬や剣などの鉄製が積み込んである荷車が余計にうるささに拍車をかけていた
「――で?お前はいつまでここにいるんだ」
「いや、その……」
口ごもる男はクロスからどんな言葉を期待しているのか一向にそこから動こうとしなかった
あまりにも矮小な姿は情けなさしかない
無視しようとも思ったが、第二部隊長という肩書きを持つのであれば、部下の泣き言を無碍には出来ない
「……仕方がねぇな」
「は?何か言いましたか――ひっ」
一歩足を引く男
逃げようとした表れだが、それ以上動けなかったのは鼻先に剣を突きつけられてたから